NPO法人設立
NPOとは、Non Profit Organizationの略で、非営利で社会福祉活動やボランティア活動を
行う団体を総称してNPOと呼びます。
なお、NPO法人とよく言われますが、何も法人でなければいけないということはありません。
そんなNPOですが、NPO法人を設立するメリット・デメリットは以下の通りです。
◎NPO法人設立のメリット
1.社会的信用の増加
任意団体よりも信用度が高いので、取引先なども安心です。
2.団体名による契約や登記が可能
任意団体の場合、団体名で事務所等の各種契約ができず個人の契約となります。
3.組織を永続的に継続できる
任意団体の場合、財産は代表者のもので、代表者が死亡すると親族に相続され、
財産が団体に帰属しない為、団体消滅の可能性があります。
4.経費の認められる範囲が広い
任意団体では認められない経費が認められるようになります。
5.官公署から事業委託や補助金が受けやすく、融資も可能
6.設立費用がかからない
株式会社の場合は一般的に設立費用が約240,000円(電子定款を使わない場合)、
合同会社で100,000円かかるのに対し、NPO法人は設立費用が全くかかりません。
※専門家に依頼する場合は、別途費用がかかります。
◎NPO法人設立のデメリット
1.設立までに時間がかかる
審査で約4か月程かかりますので、活動開始の5~6ヶ月前から設立手続きに
着手する必要があります。
2.活動内容に制約がある
事業内容は定款の内容に制限されます。
なお、定款変更には4ヶ月程時間がかかるので、定款に記載されていない事業は
すぐに出来ません。
3.社員が10名以上必要
社員というのは、表決権を持っている社員が10名以上という意味です。
4.毎年、事業報告等が必要
毎年事業年度初めの3ヶ月以内に、前事業年度の実績の有無に関わらず、事業報告書等に
関する書類を所轄庁に提出する必要があります。
提出書類は事業報告書等提出書、事業報告書、活動計算書、貸借対照表、計算書類の
注記、財産目録、前事業年度の年間役員名簿、前事業年度末日における社員のうち10人
以上の者の名簿となります。
また、事業年度終了後2ヶ月以内に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局において
資産の総額(資産-負債)の変更登記が必要となります。
5.税務申告義務がある
税法で定められた収益事業を行っていない団体は法人税の課税対象ではないため、
税務申告はもちろん、税務署への届出も必要ありません(都道府県税事務所や市町村役場
への届け出は必要です)
6.情報公開義務がある
定款や事業報告書を公開する義務があります。
NPO法人の設立要件
NPO法人の設立要件するには以下の9項目の要件を満たす必要があります。
1.NPO活動(特定非営利活動)を行うことを主たる目的とすること
特定非営利活動とは、以下のように定義されます。
「特定非営利活動20分野(下記参照)に該当+※不特定かつ多数のものの利益の
増進に寄与することを目的とする活動」
不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することとは?
不特定かつ多数のものの利益とは、利益を受ける者が特定されない多数の人の利益、
つまり社会全体の利益を意味します。特定の個人・法人や構成員相互の利益は
「不特定かつ多数のものの利益」とはいえません。
【特定非営利活動の20分野】
(1)保険、医療または福祉の増進を図る活動
(2)社会教育の推進を図る活動
(3)まちづくりの推進を図る活動
(4)観光の振興を図る活動
(5)農村漁村又は中山間地域の振興を図る活動
(6)学術、文化、芸術またはスポーツの振興を図る活動
(7)環境の保全を図る活動
(8)災害救援活動
(9)地域安全活動
(10)人権の擁護または平和の推進を図る活動
(11)国際協力の活動
(12)男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
(13)子どもの健全育成を図る活動
(14)情報化社会の発展を図る活動
(15)科学技術の振興を図る活動
(16)経済活動の活性化を図る活動
(17)職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
(18)消費者の保護を図る活動
(19)前各号に掲げる活動を行う団体の運営または活動に関する連絡、助言または援助の
活動
(20)前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
(東京都の場合、この活動について条例で定めていません。)
2.営利を目的としないこと
営利を目的としないこと、つまり非営利とは、活動に伴い剰余金・利益が生まれたと
しても構成員(役員・社員)に分配しないということ。
また、解散時にはその財産を国等に寄付すること。
寄付金・補助金・助成金などだけでは他者に依存することになり、法人運営の基盤が
弱くなってしまいます。
そこで、特定非営利活動にかかる事業以外の事業(その他の事業という)として収益を
上げることもできます。
ただし、収益を生じたときは、本来事業である特定非営利活動に係る事業の為に使用
しなければなりません。
3.宗教活動を主たる目的としないこと
宗教活動とは、宗教の教義を広め、儀式行事を行い、又は信者を教育育成すること
をいいます。
4.政治活動を主たる目的としないこと
政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするもの
でないこと。
5.特定公職の候補者、公職者又は政党の推進・支持・反対を目的としないこと
特定の公職とは、衆・参両議院、地方公共団体の議会の議員及び首長(知事・市町村長
など)の職のことをいいます。
NPO法人が選挙活動を行うことは認められません。
6.特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として事業を行わないこと
7.特定非営利活動に係る事業に支障が生じるほど「その他の事業」を行わないこと
その他の事業の会計については、特定非営利活動に係る事業の会計から区分して経理
する必要があり、その利益は特定非営利活動に係る事業に充てることになります。
8.社員が10名以上いること
社員とはNPO法人で働き給料を貰う人のことではなく、総会において表決権を持つ会員
のことを言います。
9.社員の資格の得喪に関して不当な条件を付さないこと
不当な条件を付さないとは、誰でも自由に社員になることができたり、辞める
ことができる事を保証することです。
10.役員法定員数(理事3人以上、監事1人以上)を満たすこと及び役員報酬を受ける
者は役員総数の3分の1以下であること。
役員報酬には、必要経費としての交通費や、理事が事務局の職員を兼務し、労働の
対価として支払われた給与などは含まれません。
報酬の額については特に規定はされていませんが、合理的な範囲を超えると剰余金・
利益の分配とみなされる場合があります。
11.役員として理事3人以上、監事1人以上置くこと
役員とは理事や監事のことです。
理事は職員や社員を兼ねることができますが、監事は社員を兼ねることができますが、
理事や職員を兼ねることはできません。
12.各役員について、その配偶者若しくは三親等以内の親族が2人以上いないこと
また、役員並びにその配偶者及び三親等以内の親族が役員総数の1/3を超えて
含まれないこと
役員の総数が5人以下の場合、配偶者及び三親等内の親族は1人も役員になることは
できません。
6人以上の場合は、各役員につき配偶者及び三親等内の親族を1人含むことができます。
13.役員は成年被後見人又は被保佐人など、法第20条に規定する欠格事由に該当しない
こと
法第20条については、こちらをご覧ください。
14.理事又は監事は、そおれぞれの定数の2/3以上いること
設立当時の理事又は監事は、それぞれの定数を満たしていること
欠員数が1/3を超えたときは遅滞なく欠員数を補充しなければなりません。
15.正当な会計処理をすること
16.暴力団でないこと、暴力団又はその構成員もしくは暴力団の構成員でなくなった日から
5年を経過しない者の統制下にある団体でないこと。
NPO法人設立に必要な書類
1.設立認証申請書 1部
2.定款 2部
3.役員及び役員のうち報酬を受ける者の名簿 2部
4.各役員の就任承諾書及び宣誓書の写し 1部
5.各役員の住所又は居所を証する書面(住民票など) 1部
6.社員のうち10人以上の者の名簿 1部
社員10名以上の氏名、住所を記載した書面。
7.確認書 1部
宗教活動や政治活動をしない事の確認書。
8.設主旨書 2部
9.議事録の謄本 1部
設立について意思の決定を証する議事録の謄本。
10.事業計画書 2部
設立初年度及び翌年度の事業計画書
11.収支予算書 2部
設立初年度及び翌年度の収支予算書
※設立申請時に必要な書類等は、役員(理事3名以上、監事1名以上)の住民票と印鑑だけと
なります。(登記の際は別途他の資料等が必要です。)
NPO法人設立の流れ
NPO法人設立発起人会
NPO法人設立メンバーで集まり、どのような法人にするか協議。
(定款、事業計画、収支予算書など)
↓
設立総会の開催
設立当初の社員が集まり、法人設立の意思決定を行うとともに、先の設立発起人会
で作成した定款等を決議します。
↓
設立申請書類の取寄せ及び作成
↓
設立認証の申請
所轄庁へ設立認証書類を提出します。
一度で受理されることは少なく、何回か申請に通うのが一般的です。
1つの都道府県内にのみ事務所を設ける場合は、当該お道府県の窓口、2つ以上の
都道府県に事務所を設ける場合は内閣府が窓口になります。
↓
公告・縦覧、所轄官庁による審査
設立認証書類提出後、2か月間一般に縦覧
縦覧後2か月以内に審査の結果が出ます。
よって、審査だけで約4か月かかります。
↓
認証・不認証の決定
認証の場合は認証書、不認証の場合は理由を記載された書面が交付されます。
不認証の場合、再申請は可能です。
↓
設立登記申請書類の作成・申請
設立登記申請に必要な書類を作成します。
認証書の交付があった日から2週間以内に事務所所在地を管轄する法務局に設立
登記する必要があります。
従たる事務所がある場合は、主たる事務所での登記日以後2週間以内に従たる
事務所の所在地での登記申請が必要です。
↓
NPO法人設立
法人設立後、関係官庁に各種届出が必要となります。
当事務所の報酬額等
当事務所の報酬額(税込)は下記の通りです。
なお、お客様の状況により報酬額が変動する場合があります。
業務名 | 報酬額 |
NPO法人設立 | 220,000円 |
相談(面談)30分あたり | 3,300円 |
相談(メール)1往復あたり | 2,200円 |
お問合せについて
お問合せに料金は一切かかりませんので、NPO法人に
ついてご不明な点がございましたら、以下の方法にて
どうぞお気軽にお問合せください!
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